熊野石蔵美術館(くまのいしぐらびじゅつかん)のホームページへようこそ


ご挨拶

                                                                                                        田垣内友吉
田垣内友吉

・本美術館は、私の祖父「田垣内友吉(雅号愛耕)」の画業を顕彰するために、平成13年(2001)8月に開館しました。友吉の大叔父にあたる田垣内松之助によって明治元年(1868)頃に建てられた石蔵は、平成14年(2002)6月には文化庁登録有形文化財「田垣内家住宅石蔵」として指定され、友吉の油彩画を中心に、昔懐かしい民具・写真・新聞などをまじえて、常設展示しています。おかげをもちまして、開館以来毎年100名を超える方々が、個人や団体で訪れて下さるまでに成長しました。

・さて、友吉は、明治時代中期から昭和初期にかけて、絵画への志に燃え、洋画家で文化勲章受章者故・中川一政(1893~1991)に師事し、日々求道的ともいえる制作に邁進しながらも、37歳の若さで結核に倒れました。友吉の作品や日記から、「制作にかける純で切なる生き方」をいささかでも感じとっていただければ、私にとりましてもこれに過ぎる喜びはありません。館長 田垣内 康夫

      


最新情報

・令和5年(2023)12月23日~令和6年(2024)2月11日、熊野古道センターで「流れ谷の自然と暮らし」が開催中。当美術館の民具7点、館長の絵画4作品貸し出し中。

・令和5年(2023)7月、当美術館の看板を井戸に設置しました。

・令和3年(2021)4月、熊野市役所五郷出張所前の観光マップが新しくなりました。

・令和3年(2021)3月、三重県立美術館学芸員・原舞子さんがHILL WIND48(三重県立美術館ニュース)に「三重の美術風土を探る③「生活を芸術として」/熊野・紀南地方の近現代美術」を執筆しました。

・令和2年(2020)12月、五郷ふれあい公園の看板が設置されました。

・令和2年(2020)9月~11月、三重の国登録有形文化財[建造物]パネル展が開催されました。

・令和1年(2019)7月2日~10月1日、「熊野市の文化財 めぐって学ぶ フォトラリー」が開催。

・平成31年(2019)4月、一般社団法人三重県建築士会により、トレーディングカードが作成。

・平成31年(2019)3月28日、当美術館のパンフレットを作成しました。

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熊野石蔵美術館の沿革

・当美術館の建物(石蔵・母屋)は友吉の大叔父にあたる田垣内松之助が分家した明治元(1868)年頃に建ったとされます。

・石蔵は一時期、友吉のアトリエとして使用されましたが、友吉の没後は田垣内家の物置き場と化し、うずたかく積まれた生活用具や段ボール箱などで、足も踏み場もないほどでした。友吉の没後、絵画や油絵用具等は、二階の物置に保管されていました。

・平成5年(1993)石蔵を整備していた館長が二階の物置に保管されていた友吉の日記を見つけ出し、友吉の志半ばの心情に少しでも報いていこうと心に定めました。このときより、約10年の歳月をかけて石蔵を整備して、「熊野石蔵美術館」として平成13(2001)年8月に開館しました。

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石蔵について

~国指定登録有形文化財「田垣内家住宅石蔵」~

・石蔵は田垣内友吉の大叔父にあたる田垣内松之助が分家したとされる明治元年(1868)前後に母屋と共に建築されたとされています。

・外観は寄棟造りの瓦屋根で、五郷町湯の谷の河原にあった大岩を切り出し、煉瓦(れんが)のように積み上げられています。大岩は河原でいくつかに切り分けられたあと、現在の場所まで運ばれました。そして、石工職人の手によって、長さ約一㍍、幅約三十㌢に成形され、高さは石積みだけで約五㍍もあります。

①熊野花崗岩について

・三重県の紀北町から紀宝町、和歌山県の新宮市から田辺市一帯は、熊野と呼ばれています。熊野三千六百峰という言葉がしめすように、雄大な自然を今に残しています。

・熊野一帯は1500万年前に世界最大の火山爆発が起こり、熊野カルデラができました。その爆発でできたのが、熊野市にある獅子岩や鬼ヶ城、花の窟などです。

・また、花崗岩は火山によりマグマが地上に出ることによって冷却されてできる石だとされています。石蔵はこの花崗岩を用いて建てられました。

②石工職人と熊野の石蔵

・五郷町にある当美術館の石蔵は明治元年(1868)に田垣内松之助の発注により、現三重県御浜町中立の仲康次郎によって建てられました。

・仲康次郎は熊野ではよく知られた石工職人だったとされ、当美術館の石蔵をはじめ、五郷町で当館のほかに一件、三重県紀宝町で一件、和歌山県串本町や田辺市本宮町でそれぞれ一件の石蔵を造りました。


桃崎郵便局について

・桃崎郵便局は、明治34(1901)年2月1日、田垣内松之助によって開局されました。松之助は、開局から二年後、明治36年(1903)10月15日に局舎を完成させて、初代局長として就任しました。

・局長は松之助死亡後、二代局長に、松之助の甥で友吉の父粂吉、三代局長には、粂吉の長男で友吉の兄である、保太郎が継ぎました。

・局舎は以後、昭和39(1964)年4月26日まで郵便局としての役目を果たしましたが、平成5(1993)年、老朽化により、残念ながら取り壊しとなりました。

・当局舎は、当地としては珍しい明治建築として石蔵と共に注目され、三重県教育委員会「三重県民家調査概報」、「日本の建築」、「改訂東海の明治建築」、地方新聞等に掲載されました。

桃崎郵便局について


館内案内

・館内を①から⑨にわけて、案内しています。

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田垣内友吉について

・明治27年(1894)2月11日、三重県南牟婁郡五郷村大字桃崎で生まれる。友吉は、幼少の頃より絵を描いたり、作文が好きで、内向的な子どもだったようです。

・五郷尋常小学校卒業後、京都の同志社中学に入学。学業の傍ら菊池契月に日本画を習い始めました。

・数年後帰郷、自宅の石蔵をアトリエに、本格的な制作活動を始めました。充実した制作活動の中、友吉は日本画が自己の追い求めている表現を可能にするものではないと考え始めました。

・大正14年(1925)31歳になった友吉は、自己の目的を達成する場所は、春陽会よりほかにはないと思い定めました。春陽会会員で当時の洋画壇で中心メンバーとして知られていた中川一政を我が師として交流を深めました。

・昭和4年(1929)4月、第7回春陽会展に「春」が入選。会場を訪れた洋画家・古賀春江に「田垣内友吉の春は穏健でよい」と評されました。秋の訪れと共に友吉は風邪をこじらせ療養生活を送りました。

・昭和6年(1931)10月4日、ようやく日差しが和らいできた秋の日、肺結核によって亡くなりました。享年37。

田垣内友吉についてへ


友吉の作品

・友吉は37歳の生涯で七十五作品を描き残しました。石蔵では代表作二十三作品を展示しています。

友吉の作品へ

友吉が亡くなる二年前に描いた「春」 春陽会第七回展に入選する。
友吉が亡くなる二年前に描いた「春」 春陽会第七回展に入選する。

友吉日記

・友吉は27歳から亡くなる一年前にあたる36歳まで13冊の日記を残しました。

・日記は、友吉の絵画制作や家族関係に苦悩する日々のあり方が綿々と綴られています。

友吉日記へ


中川一政と田垣内友吉

・本美術館には、洋画家で文化勲章受章者・中川一政(1893~1991)の作品が五作品所蔵されています。

・平成9年(1997)3月に何でも鑑定団で鑑定された「夏の橋」「仲秋名月」、江戸後期の有名な儒学者・佐藤一斎の名言を中川が書いた「一燈」(二作品)、「為田垣内君」があります。

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館長作品コーナー

・当美術館の館長・田垣内康夫は昭和37年(1962)に熊野市で生まれ、小学校のときから、絵心を持ち、絵を描いて来ました。

・館長が絵を本格的に描き始めたのは高校からです。館長が通った木本高校には美術の教師として働いていた岡本実氏がいて、この岡本実氏の描く絵の世界に魅了され、岡本氏の出品している自由美術展へ自分も出品し続けることを目標に据え、絵筆を握り、制作を開始しました。館長は自由美術展に昭和56年(1981)から出しはじめ、令和元年(2019)まで36回出品して、25回入選を果たしました。平成30年(2018)には会員に推挙され、令和元年(2019)には自由美術展三重県事務所を引継ぎ、今に至ります。

・当美術館では館長が高校三年生の時に自由美術展に出品して初入選した「日本」から令和元年(2019)に東北の震災をテーマにした「東北一瞬の刻~発露~」までの作品が一部屋に収蔵されています。

・当HPでは自由美術展に出品した作品を紹介しています。下のリンクから見ることができます。ぜひ、ご覧ください。

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外部リンク集


開館情報

開館時間 9:00~17:00
開館日  土・日曜日・祝祭日(要予約)
駐車場 10台
TEL(館長自宅)

090-5607-3997

※20時から22時の間、電話かかりやすいです。

入館料 無料

アクセス

・三重交通バス桃崎大橋下車、徒歩2分

・JR熊野市駅下車、車で25分

・「五郷郵便局」より徒歩1分

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当ホームページ訪問者数・ページビュー(令和5年・2023年4月1日現在)

・訪問者数   2567人

・ページビュー 4740回

令和元年(2019)5月8日から令和6年(2024)3月17日まで集計


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